日本に帰ってきて「和歌うた」 を歌い始めたころ、
忘れられない思い出が二つあります。
まずは一つ目。
名古屋から車で小一時間行ったところの某ライブハウス
その時は WALTERも一緒で、二人で名古屋駅で迎えの車が来るのを 待っていました。
なかなか車が現れなくて。どうしたのかしらと心配し始めた頃。
やっと車がきて、でも 降りて来た
ドライバーの若者が片手をぐるぐると包帯で巻いているのです。
出かけにナイフで切って遅れてしまったと、一瞬嫌な予感がしましたが、まあ。無視して。
その若者は無口でしたが好青年で安全に私たちを会場に運んでくれました。
車から降りるときに 空に素晴らしい虹がかかっていて、私は歓声をあげました。
今夜のライブを祝福してくれているんだわ、と。
そのお店はとても変わっていて、中二階に舞台とカウンターそして客席があり、
螺旋階段で三階席もあるようでした。
一階は 昔ながらの鍛冶屋さんで 包丁やハサミなどの商品が陳列されていました。
オーナーのマスターが神妙な顔して私達を迎えてくれたのですが、
実は 新聞にも告知したのだけど、客が一人の集まらない。
今日予約を入れてくれていた2組のお客様から 二つとも キャンセルが入ったと。
今親戚のお嬢さんがやっと来てくれることになったが、どうしようかと。
私は ここまで来て何もしないで帰る気にもならず 一人でも聞いてくださる方が来るならやります。と答えて
一階のお店の奥にある2畳ほどの畳の部屋で着替えることに。
着替えて時間が来るのを待っていると、その部屋からは 半地下にある鍛冶場がガラス越しに見えるのですが
誰か人が通った気がして、ちらっと見ると。
甲冑を着た男性の後ろ姿が見えました。
それも戦国時代のヘルメット(すみません言葉が見つからない)までかぶっています。
ん・・・・?
もう一度よく目をこらして見たのですが、昔ながらの鍛冶場の道具が見えるだけでした。
さて時間が来て 舞台に上がり歌い始めました。
客席には 仕事を終えて慌てて駆けつけてくれたマスターの姪ごさんが一人。
カウンターにはマスターと奥さんと 怪我した息子さんがいます。
和歌うたを 歌いながら ふと私は三階席を見上げました。
おお!!
そこには昔の戦国時代の甲冑をつけたお侍さん達が ずらりと並んでいました。
そう! わかったわ! 今夜はこの方々のために私は招かれたのね。
陣中見舞いでの 和歌うた。
心を込めて 歌わせていただきました。
もう一つの思い出ライブ。 次回は 27日に アップします。
写真は、その時に購入した包丁にしようかと思いましたが、気が変わって
大家さんが育てているバラの花