母の形見
- 2016.11.01 Tuesday
- 01:33
先ほど母の形見のコートが届いた。長い間 姉がしまっておいたコート。
貴方しか着れる人がいないから、と言われて、おくってもらった物。
母が逝ってもうだいぶ経つ。着道楽な彼女は自分の寂しさを買い物をすることで紛らわしていた。
そしてその買い物の中でも一番高価な物が毛皮のコートでした。
娘の私は基本的にはヴェジタリアンです。
外ではなんでも食べるけど自分が作るものは殆ど野菜料理。
毎日玄米にお豆腐と納豆の日替わり、そして野菜サラダで十分に生きていけるノングルメです。
そんな私が毛皮のコートなんて・・着れると思いますか?
軽いレザージャケットなら、まだしも。
母はふかふかの毛皮のコートを何着も持っていたのですが、彼女が亡くなってから誰も着る人がいなくて。
私以外の3人の姉達はとても普通な人生を歩んでいて、そんな ド派手な毛皮のコートなんて
「まあ捨てるのはもったいないわね!」
とそれだけの気持ちで取っておいてもいつか必ず邪魔になるのです。
そして結局派手?な仕事をしている私の所に全部集まってきてしまうのでした。
母の形見の毛皮のコート。
前にもう一人の姉から送られた 狸か狐のロングコートはちょうど難民の為に送ることが出来たけど。
チンチラのコートはリサイクル毛皮屋さんに送りました。殆どただ同然の値段だったけど。ゴミ箱に捨てるよりはましです。
今回届いたこのコートが多分最後の毛皮コートなのだと思うと。捨てるわけにもいかなくて。
私はアニマルライトの立場からも毛皮のコートは反対です。
日本は北海道や東北地方は良く知りませんが、関東以南は毛皮のコートなんて必要としません。
沢山の生き物が女性の虚栄心を満たすために殺されてゆくなんて本当に悲しい。
私の母は残念ながらそんな事には考えが回らなかったみたいで、
さて! どうしよう。この最後に残った毛皮のコート。
結局、私が着ることになりそうです。
このコートを作る為に殺された生き物たちは、私が否定的にまるで迷惑なごみの様な気持ちでいたら
浮かばれないだろうなとおもいます。
コートを作る為に殺された生き物たち。その目的を全うして大事に着てることが一番の供養になると。
その思いにたどり着きました。そして母もきっと・・・
でもこのコートを着て 熊森協会の集会や 環境保護や 動物愛護の集いなどには 絶対行けないでしょうね。
カシミアっていうのも貴重なものですか?